パルサー

宇宙空間には摩訶不思議な天体が数多く存在するが、パルサーもそのうちの一つだろう。
●最初の発見
1967年イギリスの電波天文学者・アントニューヒューイッツと、同じくイギリスの女性天体物理学者・ジョスリン・ベル・パーネルによって発見された。
その後、現在では1,600個ものパルサーが発見されている。
パルサーの存在が明らかになる以前、宇宙から規則性のある謎の電波を観測しており、知的生命体からのメッセージではないか?との期待もあった。
しかし、その後の研究でこれらはパルサーから発せられる強力な電磁波である事がわかった。

パルサーは太陽の数十倍もの質量を持つ巨大恒星が爆発し、拘束回転する中性子星である。
パルサーはとてつもないエネルギーの放射性物質を放つ為、その周辺には生物は存在する事ができないとされている。
パルサー最大の謎は、超高速回転の自転周期である。
計算上では、1秒~1000分の1秒という信じられないスピードで自転している事になる。
回転速度はパルサーの誕生初期が最も早く、時間の経過とともに徐々に減速していく。
地球の自転速度は24時間であるから、いかに凄まじいスピードで回転しているかがわかるだろう。

巨大恒星の最後
恒星の最後は、質量によってその後の運命が左右される。
太陽と同等程度の質量であれば、爆発時はそれまでの大きさの50倍にまで膨れ上がり、最後は白色矮星となる。
質量が8倍~30倍程度の場合、元の大きさの数千倍にまで達っし、大爆発を起こす。
これが超新星爆発である。
やがて超強力な重力によって、中心部分に向かって凝縮した状態で縮小していく。
最後は直径が数十キロメートルまで縮小され、超強力な重力と磁場を持った中性子星が誕生する。
これがパルサーである。
(中性子星とパルサーは同一のものと考えて良い)

では、質量が太陽の数百倍~数千倍という超巨大恒星の場合はどうなるのだろうか?
ここまで質量が大きいと、ブラックホールとなる可能性が高い。
つまり、パルサーはブラックホールになり損ねた天体ということなのである。