暗黒物質

暗黒物質(ダークマター)とは、宇宙空間物質に存在するだろうとされる「仮説の物質」だ。
しかし、近年では暗黒物質の存在は極めて高い確率で存在するだろうと言われはじめ、注目をあびている。
暗黒物質の正体はニュートリノではないか?とも言われていたが、小柴昌俊氏によるニュートリノの捕獲により、その後の研究で否定された。
物質の重量が軽すぎるというのが根拠のようだ。

質量が軽いとなぜ暗黒物質が否定されるのか?
そもそも暗黒物質が脚光を浴びた理由が、想像を絶する重量を持ち、しかも宇宙を構成する物質の97%が暗黒物質・暗黒エネルギーによるものと推測されるからである。
もともと暗黒物質の存在は学者の間では認知されていたが、その存在を裏付けるものとして、銀河系の渦の回転と星の位置に注目が集まった。
通常、渦巻きは中心ほど移動する速度が速く、外に行くにつれて遅くなるものだ。
ところが、我々の住む天の川銀河では、中心と外側の腕の部分の速度が全く同じである事が観測されている。
回転速度を速めている「何か」があると科学者たちは考えたのだ。
それが巨大な重量を持つ暗黒物質である。
暗黒物質が巨大な重力を生み、外側の腕の回転速度を速めているという理論である。

暗黒物質は残念ながら現代の科学では観測できないが、ニュートリノの捕獲に成功した事例もあるように、今後の科学の進歩に期待したいところだ。
実際、暗黒物質を捉えようと、素粒子物理学の世界では行われている。
ニュートリノ同様、人体をもすり抜ける上、空気中に含まれる成分を排除しつつ、暗黒物質だけを捉えなければならない超難問である。
もし成功すれば、ノーベル賞は間違いないだろう。