彗星は太陽に近づくと、明るい尾ひれを引きながら宇宙空間を遊泳する神秘的な天体である。
一般にはハレーすい星が有名だが、ハレーすい星は75~76年周期で太陽の周りを通り、海王星付近で戻ってくる事が確認されている。
ハレーすい星の発見は、1,704年、イギリスの天文学者「ハレー」によって、1,531年と1,607年に観測された彗星が同一のものである事を突き止め、発見者の名前を取ってハレーすい星と名付けられたものである。
彗星はほうきを描きながら突き進む姿から、別名「ほうき星」とも呼ばれるものである。
彗星の核と成分
ほとんどの彗星は、岩石と氷と塵でできており、大半は氷が占めると考えられている。
太陽に近づくと氷が溶け、帯状のガスを噴出する。
太陽から遠い位置にいる時は、見た目は隕石のように見え、帯状のガスは発生しない。
また、彗星の分裂も観測されており、これは彗星の終焉を意味する。
1,846年のビエラ彗星や、1992年シューメーカー・レヴィン第9彗星などがある。
彗星による細菌飛来説
オカルト的な話になってしまうが、地球上で新たに発生するウイルスは、彗星によってバラまかれているという説がある。
また、地球上の生命体は、彗星の衝突によって生命誕生の源となる成分が地球上に運ばれたという説もある。
ウイルス説においては、過去に突然大流行したペスト菌やエイズ、インフルエンザなど、様々なウイルスは実は彗星から地球上にバラまかれているという説がある。
歴史を紐解くと、確かに彗星が接近した直後に様々な伝染病が流行している事実があるのだ。
もちろん、これを裏付ける証拠は見つかっていないが、生命体誕生のトリガーが彗星だとする説も合わせ、何らかのウイルスが巻き散らかされている可能性は否定できない。
遠い昔、人類は彗星を不吉が起きる兆候として恐れていた時代がある。
これは単に迷信めいた話ではなく、疫病の流行と何かしらの関係があるのかもしれない。
人類史上初の彗星着陸探査
2014年8月6日、彗星探査機「ロゼッタ」がチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星に到着した。
現在は彗星の軌道から観測し、着陸地点を10月中旬に決定する方針だ。
着陸と同時に彗星の石などを採掘し、持ち帰る予定だ。
チュリュモフ・ゲラシメンコ彗星はハレーすい星などと比較すると極めて小さな彗星の為、生命誕生のカギとなる成分の発見は極めて難しいだろうが、それでも世紀の大発見を期待したいところだ。